開張肢(スプレーレッグ)の手術

p5-5_img01.jpg 開張肢(スプレーレッグ)は、片方または両方の大腿骨が内側にねじれ、脛足根骨が外側にねじれることにより足が開いてしまう病気です。重症例では、膝関節や足根関節の脱臼が起こることもあります。ニワトリやアヒルでも類似した疾患が見られますが、これはアキレス腱が外側に滑って外れることが原因で起こり、ペローシス(腱はずれ)と呼ばれています。

 解剖学的構造の奇形ですので、内服薬で治すことはできません。雛鳥のうちに気付いた場合は、テーピングで、両足を寄せて、矯正しながら育てることによりほぼ正常に歩けるようになることもありますが、骨の成長が終わってしまった若鳥で気付いた場合には、テーピングでの矯正は困難になります。この場合は、骨切り術により骨のねじれを形成し、歩行できるようにします。
p5-5_img02.jpg 開張肢の鳥は、胸郭が浅く変形していることが多 いため、麻酔はリスク はかなり高くなります。麻酔のリスクと今後の生活で起こりうる弊害のリスクを検討して、手術をするかどうか決定します。
 ここでは、コザクラインコの片側性開張肢の骨切り整形術の解説をします。


(1) 大腿部の皮膚切開

まず大腿骨の形成を行います。患肢の大腿部の皮膚を大腿骨に沿って切開します。

(2) 大腿部筋肉の剥離

 次に大腿部の筋肉を剥離し、大腿骨を露出させます。

(3) 大腿骨の切断

p5-5_img03.jpg 次に円鋸または炭酸ガスレーザーにて大腿骨を中央で切断します。






(4) 大腿骨への髄内ピンの挿入

p5-5_img04.jpg次に髄内ピンを切断部から近位側に向かって挿入し、大腿骨頭を貫通させます。次に切断部分を合わせ、ピンを遠位側の骨に挿入し、骨を接合しねじれを整形します。





(5) 大腿部筋肉と皮膚の縫合

次に大腿部の筋肉を縫合し、続いて皮膚を縫合します。

(6) 頸部の皮膚切開

次に頸足根骨の形成を行います。患肢の頸部外側の皮膚を頸足根骨に沿って切開します。

(7) 頸部筋肉の剥離

 次に頸部の筋肉を剥離し、頸足根骨を露出させます。

(8) 頸足根骨の切断

p5-5_img05.jpg 次に円鋸または炭酸ガスレーザーにて頸足根骨を中央で切断します。






(9) 頸足根骨への髄内ピンの挿入

p5-5_img06.jpg次に髄内ピンを切断部から遠位側に向かって挿入し、足根関節を貫通させます。次に切断部分を合わせ、ピンを近位側の骨に挿入し、骨を接合しねじれを整形します。





(10) 頸部筋肉と皮膚の縫合

次に頸部の筋肉を縫合し、続いて皮膚を縫合します。

(11) 術後管理

骨に髄内ピンを挿入すれば、骨がズレることはありませんが、ピンを軸として骨が回転してしまうので、術後に 両側をテーピング固定をして、骨が回転しないようにします。
 骨が癒合するのには、約3週間かかります。レントゲン検査で骨の癒合が確認できたら、抜ピンします。

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