骨折の手術

p5-4_img01.jpg  飼い鳥の骨折は比較的少ない方だと思いますが、落ちたり、挟んだり、踏んだりすることによって、脚や翼の骨を骨折することがあります。小〜中型鳥の骨折の手術は、ピンニング法と言って、折れた骨の中にピンを挿入して、骨折部分を接ぐ術式が一般的です。 キンカチョウ位の小さな鳥でも手術が可能です。 大型鳥の場合は、骨折すること自体稀ですが、ピンニング法の他に創外固定法を用いることもあります。
 骨折の手術は、早く行う必要があります。5日以上経ってしまうと、骨の癒合が始まってしまい、筋肉が収縮して手術ができなくなることがあります。また発情の強い雌鳥で、骨髄骨の増殖が多い場合には、髄内にピンを挿入することが出来ないため、手術が不可能な場合もあります。卵を産み過ぎて、骨軟化症によって起こった病的骨折の場合、ピンを挿入すると、骨が砕けてしまう恐れがあるため、手術が不可能な場合もあります。
 ここでは、セキセイインコの頚足根骨骨折のピンニング法の術式について解説します。

(1) 皮膚切開

皮膚は、骨に沿って縦切開を行います。

(2) 筋肉切開

 次に血管や神経を傷つけないよう筋肉を筋線維に沿って縦に切開し、骨を確認します。骨が折れると筋肉は収縮するため、多くの場合、骨折端は重なっています。

(3) 骨折端の露出

 次に骨折部の筋肉を曲げて、両側の骨折端を露出させます。

(4) 髄内ピンの挿入

p5-4_img02.jpg  次に髄内ピンを頚足根骨の骨折端から縁位端に向かって挿入し、足根関節を貫通させます。犬や猫では、近位端側の膝関節に向かって挿入しますが、鳥の足根関節は、非常に単純な構造のため、当院では足根関節側に髄内ピンを貫いています。
 ピンが貫通したらピンデバイスを装着します。







(5) 骨折端の接合

  次に収縮した筋肉を伸ばすようにしながら、骨折端を接合させます。そして足根関節側に貫いた髄内ピンを近位端(膝側)に向かって挿入し、骨がズレ無いようにします。

(6) 髄内ピンの切断

p5-4_img03.jpg  余った髄内ピンは、L字に曲げて、余分な部分を切断します。










(7) 筋肉の縫合

 骨の接合が終わったら、筋肉を寄せて筋膜を縫合します。

(8) 皮膚の縫合

p5-4_img04.jpg  最後に皮膚を縫合して、術式終了です。  術後は、レントゲン検査を行い骨が接合しているかを確認します。






(9) 術後管理

p5-4_img05.jpg  骨に髄内ピンを挿入すれば、骨がズレることはありませんが、ピンを軸として骨が回転してしまう場合があります。この場合は、術後にギプス固定をして、骨が回転しないようにします。
 骨が癒合するのには、2〜3週間位かかります。レントゲン検査で骨の癒合が確認できたら、抜ピンします。




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