体型異常による歩行異常

開張肢(類似疾患:ペローシス)
原因 p4-12_img12.jpg はっきりした原因は分かっていませんが、同じ親から生まれることが多いため、遺伝性疾患と考えられています。
ペローシスは、ニワトリやアヒルなどに発生する栄養性疾患で、腱はずれによって開脚します。
発生  多くの鳥種に発生しますが、飼い鳥では自家繁殖したインコ類に多いです。ブンチョウやカナリヤにも発生します。
症状 p4-12_img13.jpg  片側性または両側性に大腿骨が内転し、脛足根骨が外転することにより開脚します。重症例では、膝関節、足根関節の脱臼が起こることから、腱はずれとも呼ばれています。
 胸部で体重を支えて成長するため、胸骨の変形や胸郭が浅くなることがあります。胸郭が浅くなると呼吸器の圧迫のため、呼吸促迫になることがあります。
診断  典型的外貌により診断します。
治療  成長期である幼鳥であれば、まずテーピング固定にて矯正を行います。完全に正常な状態には戻りませんが、生活に支障がない程度に回復することが多いです。
 すでに若鳥にまで成長し、骨の成長が終わっている場合、テーピングでは矯正できないこともあります。無理なテーピングは、膝関節または足根関節の脱臼を引き起こします。よって若鳥では、骨切りピンニング術にて整形を行います。
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趾曲り
原因  ビタミンB不足による先天性奇形といわれています。趾屈腱の伸展が不十分なため、趾が完全に伸展せず、趾が内側へ湾曲する病気です。
発生  多くの飼い鳥に発生します。顕著な異常ではないため、幼鳥時には気づかないことも多く、購入した個体および自家繁殖した個体ともにみられます。
症状 p4-12_img14.jpg インコ類およびフィンチ類ともに趾が内側に湾曲します。また趾も短く、足全体が矮小なことが多いことから握力が弱く、止まり木から落ちやすくなります。
 足底部で体重を支えていないことから、趾瘤症を併発することもあります。
診断  典型的症状により診断します。
治療  特異的な治療法はなく、矯正も難しいです。止まり木に伸縮テープを巻いて足底の保護を行います。

 

クル病
原因  カルシウム・ビタミンD不足、不適切なカルシウム/リン比が原因ですが、多くは市販粟玉にお湯をかけたもののみの給餌や一日の給餌量が少ないことが原因です。
発生  幼若鳥に発生します。
症状  脛足根骨湾曲によるO脚、大腿骨変形による開脚などにより歩行異常を示します。また烏口骨変形による翼の挙上または下垂、肋骨変形による胸郭狭窄によって呼吸促迫がみられることもあります。
診断  脚の変形や矮小体型、不自然な歩行、レントゲン検査での骨格確認よって診断を行います。また幼鳥期の食事内容の聴取も診断の一助となります。
治療  変形した骨格を治すことは困難であるため、適切な食事内容によって進行を防ぐ必要があります。


骨軟化症
原因  カルシウム・ビタミンD不足した状態での慢性的な産卵が原因です。
症状  骨格変形、長骨変形により歩行異常を示します。
診断 p4-12_img15.jpg 麻痺性、疼痛性以外の歩行異常があった場合はレントゲン検査を行い、骨格の確認を行います。脊椎が変形した場合には、脊髄障害による運動失調が出ることがあります。
治療  変形した骨格を治すことは困難であるため、食 事改善、発情抑制を行います。
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